こんにちは、スタッフTFです。

当店で主に工具類を担当しております、こちらでは工具だけでなく、いろいろなモノの説明や使用方法
裏技?などを記載していければと考えております。

記念すべき第一回は皆様も一回は交換したであろう、「エンジンオイル」について説明したいと思います。

以下、項目に分けて説明したいと思います。

①エンジンオイルの役割
②エンジンオイルの種類
③どうして色々なオイルが存在するのか?
④こんな方にはこのオイル

そんなこと、とっくに知ってるよ!と思われる方は申し訳ございませんが最後までお付き合い頂けると幸いです。

①エンジンオイルの役割
 エンジンオイルの役割はとても多岐に渡っております、まずは皆さんご存
 じの「潤滑」です、エンジンは金属の塊です、金属同士が摩擦すれば当然 
 抵抗が生まれ発熱します。

 その発熱を抑えるにはどうすればよいか、摩擦熱を減らせば発熱量は減り
 ます、摩擦する金属にオイルを塗布すれば当然抵抗は激減し、発熱は減っ
 ていきます。

 エンジンはご存じのとおり、内部で爆発、燃焼を繰り返しておりますの
 で、この潤滑がないと、あっというまに金属同士がこすれあい、異常加
 熱、最終的には各部が焼き付きを起こしてしまいます。
 それを防ぐために「潤滑」はとても大事な役割なのです。
 又、金属同士がこすれあう事による摩耗からも保護することができます、
 潤滑がよければそれだけ摩耗も減少することになります。
 
 次に「密閉」です、エンジンの内部は非常に精工に作られておりますが、
 やはり隙間は存在します、エンジンオイルはその隙間に入り込み、油膜を
 形成してくれます、
 油膜が上記の潤滑につながり、さらに金属と金属の隙間をふさぐことでエ
 ンジンの密閉性を高め、燃焼、爆発時のパワーを獲得することが可能にな
 ります。
 
 お次は「冷却」です、上記にもありますように金属同士がこすれあい、爆  
 発、燃焼し続けるわけですから、無茶苦茶に熱が発生します、当然、温度
 を下げる必要性がありますが、エンジンオイルが熱を速やかに吸収するこ
 とにより、エンジンは爆発、燃焼を続けることが可能になります。
 
 次に「清浄」です、エンジンは燃焼、爆発を行っているわけですから、燃
 料に含まれた不純物が燃えカスとなり、金属面に固着していきます、これ 
 が、エンジンの動作に邪魔をし、燃費が悪くなったり、最悪、上手く潤滑
 が出来ず、焼き付きを起こしたりします、
 ですからエンジンオイルには清浄成分が含まれており、出来る限りこの不
 純物を分解、吸収する様になっております、
 従いましてある程度走行すると、オイルが汚れてしまう事になります。
 
 最後に「防錆」です、エンジンはむき出しの金属で形成されており、外気
 に触れるとみるみる錆が発生してきます、エンジンオイルがエンジン内部
 のありとあらゆるところに行きわたり
 保護膜を形成することにより錆からエンジン内部を守ることが可能になり
 ます。
 
 以上のようにエンジンオイルには様々な役割があり、どれ一つ掛けてもエ
 ンジンに多大なダメージを与えてしまいます。
 ”たかがオイル、されどオイル”なのです。

②エンジンオイルの種類
エンジンオイルにはいろいろな役割があることは上記の通りなのですが、
その役割の能力差によって、さまざまな種類に分けられています。

・鉱物油
主に石油精製のオイルの事を指します、原油を精製し、様々な添加剤を加え、エンジンオイルの役割を付加した油です。

・化学合成油
上記石油精製のオイルの構造に似せて、様々な化学物質より合成された油です。
鉱物油にはどうしても不純物が混じっていたりするものなのですが、化学合成油は1から作り出すものなので、不純物等無い理想の油を作成することが可能です。 難点はコストがどうしても高くなってしまいます。

・部分合成油
名前の通り、化学合成油と鉱物油をミックスして製作される油です。
鉱物油のリーズナブルさと化学合成油の良い所を併せ持つ油です。
コストもそこそこ抑えられ、使い勝手の良い油です。

各オイルはAPIというグレーディングで分類されています。
APIはGr1からGr5まで分類され、基本的にGr3より合成油や化学合成油と謳って販売されています。
ややこしいのですが、Gr3には厳密にいえば、鉱物油を水素化分解(VHVI)したオイルも化学合成油としてグレーディングされております。


VHVIなら、化学合成でもベースは鉱物油という事です。VHVIではなくPAOなら鉱物油由来ではなく、純粋な化学合成という事です。

VHVIを化学合成と認めない方々もいらっしゃるのですが、鉱物油の分子配列を理想的な配列に並べ替え製作されるオイルですので、鉱物油、部分合成油に比べて、明らかに性能は高く、分子配列まで変更しているので、化学合成と謳っても問題無いと考えます。

Gr4~Gr5はPAOやエステルといった化学物質で構成されており色々な面でGr3までのオイルを上回ります=とてもよいオイル

とってもややこしいので、興味のない人は
●安くて普通=鉱物油
●そこそこの性能、ちょい高い=部分合成油
●性能ビンビン!でもお高い=化学合成油
と把握しておけば問題ありません。

長々と話してしまいましたが、次回ではなぜ色々な種類のオイルが存在するのか?
使用用途別におススメな成分のオイル
等々を語っていきたいと考えております。
・・・・って需要あるのかな???

オイル添加剤についても後々語っていきたいと思います。
宜しくお願い致します。

3月 01, 2023 — TF

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